ルッケーゼ一家(Lucchese crime family) NY五大ファミリーのひとつ。

ルッケーゼ一家(Lucchese crime family)

　NYのイタリア系犯罪組織　　

　シチリア島で「ドン・ヴィート」と呼ばれた犯罪組織コーサ・ノストラのボス

　　　ヴィト・カッショ・フェロ
の命令により、部下を引き連れ1918年にアメリカに渡り、ブルックリンに定住してカステラマレ地方出身のシチリア移民のリーダーとして禁酒法時代には
　　　フランク・コステロ
の手助けにより、密造酒で財をなし勢力を強めていった。

　　

　ジョー・マッセリアとサルヴァトーレ・マランツァーノの縄張りをめぐる

　　　カステランマレーゼ戦争
と呼ばれた二人の激しい抗争で、終盤の1931年4月にマッセリア配下のルチアーノが寝返り、マッセリアがコニーアイランドで殺され収束して、ニューヨーク・マフィアの組織統一がなされた。

　　　

　マランツァーノが主導して、ニューヨークのマフィアを5つのグループに分割し再編成した時の五大ファミリー(コーサ・ノストラ)のの一つ。

　最初のボスはガエターノ・ガリアーノであった。

　もともとは、ジョー・マッセリアとマランツァーノの抗争時に殺害された

　　　ガエターノ・レイナ

を中心とするグループが元となっており、ハーレムやブロンクスを地盤とするため、"Harlem Crew"と呼ばれることもある。
　ルッケーゼ一家という名称は、1950年代にガリアーノの跡を継いだ

　　　ト−マス・(三本指のブラウン)・ルッケーゼ

の名が由来である。

　ルッケーゼはフランク・コステロと並んで政界に強力なコネを持ち、そのファミリーはニューヨークの

　　　縫製産業

を支配した。

　また、労働組合運動にも強大な影響力を持っていた。

　ルッケーゼは、ラッキー・ルチアーノが国外追放されたのちの当時最強の旧ルチアーノ一家内でボスのフランク・コステロと対立する

　　　ヴィト・ジェノヴェーゼ

と組んで、ニューヨーク・マフィア最大の実力者コステロの追い落としに成功した。

　更に、姻戚関係にあるカルロ・ガンビーノをアナスタシア一家のボスにつけた。

　その後、ボナンノ一家のボスのジョゼフ・ボナンノとプロファチ一家のボスのジョセフ・マリオッコによるニューヨーク・マフィア掌握の陰謀を未然に阻止したことでガンビーノと共にニューヨークを実質的に支配した。

　ルッケーゼの死後はカーマイン・トラムンティ、アンソニー・コラーロがボスの地位を確保して麻薬取引などにも手を染めるようになっていった。　

　1978年、ポール・ヴァリオ配下の

　　　ジミー・バーク

　　　トーマス・デシモーネ

などがルフトハンザ航空強奪事件を引き起こした。

　その後、同じくヴァリオ配下の

　　　ヘンリー・ヒル

がIBIの情報提供者となったことで、バーク、ヴァリオら関係者が多数逮捕されている。

　1986年には獄中のコラーロが指名した人物を殺害して

　　　ヴィットーリオ・アムーソ

がボスの座を奪った。

　アムーソは腹心のアンソニー・"ガスパイプ"・カッソと共にガンビーノ一家のボスの座を奪った

　　　ジョン・ゴッティ

に反発してフランク・デチッコら側近を殺害して勢力を削ぐ作戦を展開した。

　このためゴッティは話し合いの末に何とか関係修復に成功した。　

　その後、カッソはボスの座を奪おうとして失敗し、証人保護プログラムの保護下に入ることとなった。

　ポール・カステラーノと仲が良かったサルヴァトーレ・"トム・ミックス"・サントロ、ジョン・ディオグァルディ(1914-1979);などが有名である。
　2012年現在のボスはスティーブン・クレーアとなっている。


　　

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歴代のボス

    1930-30年:ガエターノ・レイナ(殺害)
    1930年:ボナヴェントゥーラ・ピンツォーロ(殺害)
    1930-53年:ガエターノ・ガリアーノ(病死)
    1953-66年:トーマス・ルッケーゼ(病死)
    1966-73年:カーマイン・トラムンティ(引退)
    1973-86年:アンソニー・コラロ(逮捕・収監→獄死)
    1986年:アンソニー・ルオンゴ(殺害)
    1987年-2012年:ヴィットーリオ・アムーソ(収監中)
    2012年-:スティーブン・クレーア