香港では1日、香港行政府長官の選挙に中国が介入することを止めるため、普通選挙の実施など自由化を求める51万人が参加する大規模な民主化デモが行われた。
英国からの返還で香港は特別行政区として高度な自治を認められている。
しかし、行政長官(行政区政府トップ)選挙の候補者たちは「選挙委員」が指名となっており、中国政府は2017年の行政長官選挙についても
中国共産党中央の意向を受けた候補
以外は立候補できない制度を検討している。
当然ながら、非民主的な手法で選ばれ立候補する候補者に対し、香港市民は不満を持っており、先日行われた非公式の住民投票では80万人近くが有権者が候補者を選べる選挙制度を支持している。
この非公式の住民投票の結果が予想を超える高い投票率となったことに対し、危機感を持った中国政府は、住民投票は「違法で無効」だと切り捨てた。
中国本土に波及すれば、中国共産党を嫌悪する多くの国民からは選挙で指示が受けられないこともあり、絶対にこの一線を越える事は許さないと言う姿勢を示すことに躍起となっている。
中国では今週、無料通信アプリ「LINE(ライン)」や写真共有サービス「フリッカー」などのオンラインサービスが利用できなくなる事態が起きた。
これは香港の民主化要求デモの情報を遮断するために政府が関与したと考えられるという。
中国で取材を続ける記者らは、韓国の検索サイト大手ネイバー傘下のLINEや、韓国のカカオが運営する通信アプリ「カカオトーク」でメッセージを送信できなくなったという。
両社はトラブルの解消に対する問い合わせを受けても、サービスが不通になっている原因だけでなく、通常通りのサービスが再開される時期についても分からないと回答したという。
また、米国のヤフーの「フリッカー」や、マイクロソフトのクラウドサービス「ワンドライブ」も使えなくなっているという。
中国の検閲監視団体「GreatFire.org」で、チャーリー・スミスのペンネームを持つメンバーは一連のサービス不通に関して
これは技術的な障害ではない
と述べ、香港のデモに原因があると考えていると強調した。