セメント生産能力で国内2位の
三菱マテリアル(5711)
は、米国でセメントを輸入するための港湾施設の操業を2015年後半にも再開する方針。
リーマンショックによる需要急減でカリフォルニア州ロングビーチに持つ輸入ターミナルは08年半ば以降は操業休止を迫られた。
三菱マテが67%、残りを三菱商事(8058)などの三菱グループが出資する米国三菱セメントが操業主体となっている設備。
受け入れ能力は年間120万トンで同州サンディエゴに60万トン以下の規模の輸入ターミナルの新設を検討していることも明らかにした。
米国景気の回復で住宅着工件数が堅調に推移 するなどセメント需要の拡大に対応する措置。
今期から3年間の中期経営計画では、17年3月期にセメント事業の営業利益で前期の191億円から350億円への拡大を掲げた。
国内セメント需要は、建設現場での
深刻な人手不足
が響き今期以降は横ばいにとどまるとみている。
米国での販売増が利益をけん引し、3年後には銅などの金属事業を抜き、セメントが同社の事業別利益で最大となる見通し。
ひとこと
建設資材のセメントは消費地に近い方が価格競争力や製品の品質維持がしやすい。