インドネシア政府は、10月10日に熊本市で採択、署名された国連(UN)の「水銀に関する水俣条約(Minamata Convention on Mercury)」によって、国内の金採掘労働者の生命を脅かしている水銀を使った精錬作業が減ることを期待している。
ただ、金の価格上昇に伴って拡大している違法採掘の問題に取り組むには、同条約では不足だと見る向きもある。
国連は、いわゆる「小規模の職人的な金採掘労働者」が世界70か国に最大1500万人いると推定している。インドネシアでは2006年の推定5万人から現在は約50万人に急増したとみられると、政府の対策チームを率いるアブドゥル・ハリス(Abdul Harris)氏は語る。
国連によれば
水銀を使用する金精錬
が広く行われているため、鉱業は環境への人為的な水銀放出源としては最大のものとなっている。
水銀を使用する金精錬の拡大が顕著なのがインドネシアで同国に何百か所もある採掘場で雇われている大勢の貧困層は、鉱石を砕き粉々になった砂利に高圧水を吹き付け、金を探している。
金を含んだ鉱石や砂利に水銀を混ぜると
水銀と金の合金
ができ、容易に取り出せるようになる。
危険を伴うのは次の工程で合金を加熱して水銀を蒸発させ金を抽出する際に神経毒が発生し、神経や臓器に取り返しのつかない深刻な損傷を及ぼす恐れがある。
採掘現場の周辺地域はさらに大きな脅威にさらされているという見方もある。水銀が食物連鎖に入り込むためだ。
特に河川に流入した場合、バクテリアの働きで、通常の水銀より毒性が強いメチル水銀が生成される。
食物連鎖によってメチル水銀が蓄積した魚介類を人間が食べれば、重大な神経障害や出生異常の原因になる。
ひとこと
表面に金を鍍金する方法として水銀が使われ蒸発させることで仏像などの表面に金箔を貼り付ける技術がない時代に行われていた。
奈良の大仏が創建当時は金で覆われていたのは知られたこと。
水銀で溶かした金を大仏に塗りつけたのち熱等を加え、水銀だけを大気中に蒸発させ金を表面に付着させるといった手法で行われていたようだ。
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