クライスラー・グループ
以来で最大の企業破綻が起きる可能性が浮上している。
PE投資会社
コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)
TPGキャピタル
などの投資家グループが5年前にレバレッジド・バイアウト(LBO)により480億ドル(約4兆4840億円)で買収した
エナジー・フューチャー ・ホールディングス(旧TXU)
が破綻する可能性が高まっている。
投資家グループによるエナジー・フューチャー買収では景気回復に伴いエネルギーの使用拡大で保有する天然ガス価格の上昇を見込んで
401億ドルの債務
を使った賭けを行った。
しかし、米国内では量的緩和策により商品相場の上昇、特に原油と天然ガスの価格が史上最高値に迫る中、非在来型の資源開発が活発化しシェールガスの開発ブームが広がった。
景気後退の中で供給が拡大した天然ガスの価格は08年以降77%下落し100万BTU当たり一時2ドル割れまで値を消した。
ここにきてエナジー・フューチャーの電力卸売り部門
テキサス・コンペティティブ・エレクトリック・ホールディングス
は、2014年10月に融資の一部の返済期限を迎える。
なお、エナジー・フューチャーの債務全体のうちテキサス・コンペティティブが約310億ドルを抱えている。
事情に詳しい債権者がメディアに話したところによれば非公式な形での債務再編協議が既に行われているという。
ただ、このプロセスが非公開だとして匿名を条件に債権者の1人がメディアの取材で話したところによると、エナジー・フューチャーが破綻した場合、優先債権者はテキサス・コンペティティブの取得に動く可能性が高いという。
なお、優先債権者には
フランクリン・リソーシズ
アポロ・グローバル・マネジメント
オークツリー・キャピタル・グループ
GSOキャピタル・パートナーズ
が含まれる。
テキサス・コンペティティブが破綻した場合、KKRやTPG、ゴールドマン・サックス・キャピタル・パートナーズを含む買い手が投じた
83億ドル
の大半が消えることになる。
同買収はLBOとしては過去最大規模だった。
規制当局への届け出によれば、エナジー・フューチャー の昨年のEBITDA(利払い・税金・減価償却・償却控除前利益)は調整後ベースで
37億ドル
まで下落しており、買収の翌年の48億ドルまで減少した。
届け出資料によると、昨年12月31日時点でエナジー・フューチャーにおけるKKRの持ち分は、当初投じた規模の5%と評価されている。
↓ 参考になったらクリックお願いします。
