ビール
(beer)
アルコール飲料の一種で主に大麦を発芽させた麦芽を、ビール酵母でアルコール発酵させたもの。
歴史資料としてはメソポタミア文明の
シュメール人
により大麦を使い作られていたとされるものが最古となっている。
なお、シュメール人はワインの製法も開発しているといわれている。
ビールは元来製粉が難しくて
消化のよくない大麦
を消化のよい麦芽パンにする技術から派生して誕生したものと考えられている。
穀類を豊富に産したメソポタミアやエジプトではビールはパンから派生し、食物に非常に近い日常飲料であったようだ。
パピルス文書には、王墓建設の職人たちへの配給食糧として、ビールが記録されている。
なお、焼いてから時間のたった固いパンを液体でふやかすという発想は、ヨーロッパのスープの原型となったとも考えられる。
小麦の原産地がエジプトではなく西アジアであることからメソポタミアからビールの製法が伝わったという説がある。
ビールは酵母の種類により
上面発酵ビール
下面発酵ビール
の2つに分かれる。
また一部には、酵母を人工的に加えず、自然の状態(空気中の酵母の働き)で発酵を進める自然発酵タイプもある。
下面発酵ビール(ラガー)
発酵が終了に近づくにつれ酵母が発酵液の下面に沈殿するタイプの
下面発酵酵母
を使用しており、低温(10℃前後)で発酵させたビールのこと。
低温で発酵させている為、発酵させた時の温度に近い低温(冷やして)で飲むのが美味しいビールです。
ピルスナーなどが代表的で世界の主流のビールで日本の大手メーカーの代表的なビールはほとんどがこのタイプ。
上面発酵ビール(エール)
発酵が終了に近づくにつれ酵母が発酵液の上面に浮上するタイプの
上面発酵酵母
を使用し、比較的高温(20℃前後)で発酵させたビールのこと。
発酵させた時の温度が比較的高い為、赤ワインなどと同様、常温に近い温度で飲むのが最適といわれる。
また、冷やしても美味しく飲めます。イギリスのエールなどが代表的なビール。
自然発酵ビール(ランビック)
他のビールのように培養酵母を使用せず、自然発酵を行なうもの。
野生酵母や乳酸菌の働きで独特の香りと酸味が強いビールとなる。
まるで日本酒の
生もと仕込
山廃仕込
のよう。
ベルギーのランビックが代表的なビール。