BHPビリトン
との2012年の
銅鉱石の輸入価格交渉
を打ち切ったことが17日明らかになった。
国内銅製錬最大手の
パンパシフィック・カッパー(PPC)
の関係者は、BHPとの輸入価格交渉が頓挫した理由を
7日の火災事故
で操業を停止したことなどの措置とした。
銅鉱石の12年分輸入交渉では、PPCは米国の資源会社
フリーポート・マクラモン・カッパー・アンド・ゴールド
と契約を結んでいる。
昨年12月の契約合意では
「TC/RC」(熔錬・精錬費)
と呼ばれる製錬会社にとって収益に当たる加工費を
「63.5/6.35」
(1トン当たり約359ドル)
とした。
同2位の住友金属鉱山はBHPと条件が合わないことを理由に交渉を打ち切った。
なお、BHPは昨年12月に中国の企業と契約を締結したが、PPCがフリーポートと合意した条件よりも製錬会社にとっては採算の悪い価格だった。
このため、PPCなどが11年年末交渉でBHPから提示されていた条件は、フリーポートよりも悪かった可能性が高い。
ひとこと
欧米の景気後退の動きが読みきれない現状では、強気の資源メジャーとの交渉は収益の悪化要因となる。
また、日系商社の銅鉱山の開発案件もあり生産量が拡大する受け皿としての役割もあるだろう。
なお、安定的な操業を確保する銅製錬会社が資源メジャーと毎年締結している
年間の輸入契約を結ばない
のは珍しいケースではある。
濡れ手に粟で収益確保を貪欲に交渉するテーブルを作り出す意図が強い資源メジャーの鉱山産出量を調整することで設備の稼働率が下がる。
当然、稼動が低下しても設備等の維持経費を確保する必要に迫られる。
こうした経費の確保のため、大きな譲歩をしてくる可能性が今後出てくるだろう。
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