ハミルカル・バルカ ハンニバル将軍の父親

ハミルカル・バルカ
　　Hamilcar Barcas, Hamilcar Barca
　　（ ? - 前229/228年）
　紀元前3世紀のカルタゴの将軍で、ハンニバル・バルカの父親
　第一次ポエニ戦争（紀元前264年〜紀元前241年）のときローマ軍と戦い、シチリア島での戦いでは陸と海でローマ軍を挟みうちにしローマ軍を苦しめたが本国海軍の敗北を機に紀元前241年に和議が成立すると、降伏の意志もないままにカルタゴへと戻った。→　ranking
　
　カルタゴの軍は現在のフランス外人部隊と同様に基本的に傭兵で成り立っており、ハミルカルの軍はハミルカル個人によって率いられていた。
　第一次ポエニ戦争が敗北したため、ハミルカルが傭兵として約束した報酬が大ハンノを中心とするカルタゴ政府内の反ハミルカル勢力により反故にされ、傭兵たちが反乱を起こした。
　大ハンノが鎮圧に乗り出したが敗北し、その後、危機感を募らせたカルタゴ政府によりハミルカルに反乱の鎮圧を要請、紀元前237年に傭兵の反乱を鎮圧に成功した。
　これによりハミルカルのアフリカでの名声と影響力を世に知らしめることが出来た。→　ranking

　反乱鎮圧の後、ハミルカルの影響は強まり、彼の政敵は日増しに力を増す彼に抗する事ができなくなった。
　
　この名声を背景として自分の軍隊を募り、ヌミディアなどの各地からの傭兵を集めて訓練を施した。
　この軍隊を引き連れて、イベリア半島に出征してカルタゴ政府からの干渉を受けない自らの王国を築く事を決意した。→　ranking
　
　これは新天地の開拓により、シチリア島を失ったカルタゴを支援できうると考えをある面では含まれていての行動であった。
　この遠征には息子ハンニバルも随行した。→　ranking
　この時、幼き日の息子ハンニバルを神殿に連れて行き
　　　打倒ローマを誓わせた逸話
は非常に有名な話である。

　8年間の遠征を経てヒスパニアでの支配を確立しようとしつつあり、拠点としてカルタゴ・ノウァを建設中しているが、彼はその完成を見ぬまま戦死した。
　彼の遺志は娘婿のハスドルバルに継がれていった。→　ranking