ピエール･アンデュラン(Pierre Andurand) ブルーゴールとアンデュラン・キャピタルの創設者

ピエール･アンデュラン(Pierre Andurand)

　　　1977年2月生まれ

　フランスの実業家、ヘッジファンドマネージャー

　ファンドはおよそ20億ドルの資産を運用して、2008年以来、投資家に900〜1300%の累積収益をもたらしている。

　また、国際キックボクシングリーグGloryの筆頭株主でもある。

　アンデュランはフランスのエクスアンプロヴァンス市で生まれた。

　8歳のとき、家族とともにアフリカ沖のフランス領レユニオン島に移住している。

　エクスアンプロヴァンスに戻るまでの6年間をそこで過ごした。

　17歳のとき、トゥールーズ市に移り、国立応用科学院に入学し、応用数学の修士号を取得した。

　その後、パリ高等商業学院（HEC経営大学院）に移り、国際金融の修士号を取得している。

　アンデュランはまた、コロンビア大学でコンピュータサイエンスの修士号、オックスフォード大学で数理および理論物理学の修士号、ロンドン大学クイーン・メアリー校で天体物理学の修士号を取得した。

　若い頃は水泳に熱中していたアンデュランは、1993年と1994年にフランスジュニア水泳代表チームのメンバーでもある。

　
　ロンドン大学卒業後、アンデュランドは

　　　ゴールドマン・サックス

に採用され、シンガポールの商品取引部門で

　　　石油トレーダー

として働いた。

　ゴールドマン・サックスを退職後、アンデュランは石油取引のプリンシパルとして

　　　バンク・オブ・アメリカ・シンガポール

に入社した。その後、アンデュランはスイスを拠点とするオランダの多国籍エネルギー取引会社

　　　ヴィトル

のシンガポール支店にトレーディング・マネージャーとして入社した。

　その後、アンデュランは2004年にロンドンに移り、パートナーになった。

　彼は会社で最も成功したトレーダーの一人であると噂され、特に成功した取引の年末には2000万ドルのボーナスを受け取った。

　
　2007年10月、アンデュランはヘッジファンド投資グループである

　　　ブルーゴールド(Bluegold Capital)

を共同設立した。

　彼はブルーゴールドの筆頭株主兼最高投資責任者だった。

　ブルーゴールド・グローバル・ファンドを2008年2月に3億ドルの運用資産で立ち上げた。

　同年6月、ニューヨーク・ポスト紙は、その収益を「目を見張るような」「とてつもない」規模と評した。

　運用資産のピーク時には24億ドルに達した。

　パフォーマンスは、2008年が210%、2009年が55%、2010年が13%、2011年が-34%だった。

　ブルーゴールドは、創設者が別々の道を歩むことを決めた後、1か月以内に運用資産の99%近くを返還して2012年4月に閉鎖した。

　2013年2月、ピエール・アンデュランは新たなヘッジファンド

　　　アンデュラン・キャピタル

を立ち上げ、主に石油や金属などのエネルギーや商品に投資することを目指した。

　2013年、アンデュラン・コモディティ・ファンドは25%のリターンで、コモディティ・ヘッジファンドの中で最高の成績を収めたファンドの一つとしてその年を終えた。

　2014年には、原油価格の急落を予測して、手数料控除後のリターンが38%に達した。

　2016年までに、原油価格が1バレル30ドルという12年ぶりの安値に落ち込んだ弱気相場の中で、アンデュラン氏は原油に対して強気になった。

　同年、同氏は22％のリターンを得た。

　同社は2022年6月現在、複数のファンドで20億ドルの資産を運用している。

　最大のファンドであるアンデュラン・コモディティ・ディスクレショナリー・エンハンスト・ファンドは、2021年に87%のリターンを上げた後、2022年6月までに162%のリターンを上げている。

　また、7億5000万ドルのアンデュラン・コモディティ・ファンドは、同じ期間に41%の上昇となった。

　フィナンシャル・タイムズ紙のインタビューで、アンデュラン氏は、2020年初頭に2週間かけてこの病気の初期の拡散を研究して以来、新型コロナウイルスが彼の唯一の焦点になっていると述べた。

　アンデュラン氏は、2月からこのウイルスが世界中に広がること、伝染性があること、そして潜在的な死者数を考えるとロックダウンは避けられないことは明らかだったと主張した。

　彼は、エネルギーが最も大きな打撃を受けるセクターの一つになると信じ、原油価格に逆らうように資金を配置した。

　2021年半ば、アンデュラン氏は需要の回復と供給の伸びの鈍化を受けて、再び原油に強気になった。

　彼のアンデュラン・コモディティ・ディスクレショナリー・エンハンスト・ファンドは、2020年の154%の上昇に続き、2021年も年間87%の上昇で終了した。

　同ファンドは、2022年4月までの年初来で112%の上昇となった。

　アンデュランの古いアンデュラン・コモディティ・ファンドは、2021年を36%の上昇で終えた。

　
　2021年7月、アンデュランはグリーンエネルギー移行への注力をさらに深めるため、環境ファンドを立ち上げた。

　アンデュラン気候・エネルギー移行ファンドは2022年1月までに28%の収益を上げた。

　
　格闘技ファンであったアンデュランは、石油トレーダーとして働きながら

　　　健康維持の手段

としてキックボクシングを始めた。

　ライバルシリーズのK-1が財政難に陥り、アンデュランの買収提案を拒否した後、彼はグローリーワールドシリーズを設立した。

　2016年9月、グローリースポーツインターナショナルは、中国のバスケットボールスター、ヤオミン(姚明)が設立した投資会社

　　　ヤオキャピタル

とのシリーズB資金調達ラウンドを発表し、同社の重要な戦略的株式を取得した。

　リバティグローバルもシンジケートに参加した。

　ボストンのツインフォーカスキャピタルパートナーズを含む既存のグローリー株主も資金調達ラウンドに参加した。

　
　2011年8月、アンデュランはエフゲニア・スルサレンコと結婚したが、2016年に離婚に合意した。

　2019年7月、彼はエレナ・セレダと結婚した。