10月の米小売売上高は前月比0.4%増加し、市場予想(0.3%増)を上回る伸びとなった。
なお、9月は0.8%増(速報値0.4%増)に上方修正された。
データはインフレ調整を加えていない。
自動車販売は3カ月ぶりの大幅増となり、自動車販売の増加が全体を押し上げたが、自動車を除いたベースでは0.1%増となった。
自動車販売は3カ月ぶりの大幅増となり、自動車販売の増加が全体を押し上げたが、自動車を除いたベースでは0.1%増となった。
また、ホリデーシーズンが近づく中で他のカテゴリーも幾分勢いを示した。
13分野のうち8分野で増加した。
電子機器や家電の販売店が特に好調だった。
電子機器や家電の販売店が特に好調だった。
ただ、電子商取引を含む無店舗小売りは伸びが鈍化した。
アマゾン・ドット・コムによる大型セール「プライムデー」での値引きや、ウォルマート、ターゲットが実施した同様のキャンペーンが影響した可能性がある。
アマゾン・ドット・コムによる大型セール「プライムデー」での値引きや、ウォルマート、ターゲットが実施した同様のキャンペーンが影響した可能性がある。
10月のデータは強弱が混在しているが、9月分の上方修正は、今年終盤の個人消費が想定されていたより力強いことと、それを背景にホリデーシーズンの消費が堅調に推移する可能性を示唆する。
一方でインフレが根強い上に、一部の小売業者はトランプ次期政権下で
輸入品への関税が引き上げられること
を見越して既に値上げを検討している。
輸入品への関税が引き上げられること
を見越して既に値上げを検討している。
こうした状況は今後の小売売上高データをゆがめる恐れがある。
この統計はインフレ調整をしないため、増加が示されても販売が増えたというより価格の上昇を反映しているに過ぎない可能性があるためだ。
この統計はインフレ調整をしないため、増加が示されても販売が増えたというより価格の上昇を反映しているに過ぎない可能性があるためだ。
9月分は大幅に上方修正されたが、8月分は逆に0.1%減へと下方修正された。
国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建設資材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高(コントロールグループ)は、10月に0.1%減少した。
9月は2023年1月以来の大幅増だった。
9月は2023年1月以来の大幅増だった。
ただ、過去3カ月の年率では4.6%増となり、10−12月(第4四半期)の米経済が順調に滑り出したことを示唆している。
今週発表された物価統計がインフレの根強さを示唆したことと併せて今回の小売売上高を見ると、米金融当局は追加利下げに慎重な姿勢を維持する公算が大きい。
小売売上高は主に、
消費支出全体に占める割合が比較的小さい財の購入
を反映している。
小売売上高で唯一のサービス項目である飲食店の売上高は0.7%増となった。
小売売上高は主に、
消費支出全体に占める割合が比較的小さい財の購入
を反映している。
小売売上高で唯一のサービス項目である飲食店の売上高は0.7%増となった。