ユーロ圏の賃金の伸びを示す重要な指標である1人当たり雇用者報酬の伸びが4−6月(第2四半期)に鈍化した。
来週に利下げを行おうとしている欧州中央銀行(ECB)当局者に安心感を与えた。
6日発表された統計データによると、第2四半期の従業員1人当たりの報酬は4.3%増と、1−3月(第1四半期)の4.8%増から伸びが鈍化した。
なお、ECBは6月に、第2四半期の伸び率を5.1%と予測していた。
ECBは12日に0.25ポイント利下げを実施すると予想されている。
調査によれば、インフレ鈍化がこのまま続けば、借り入れコストはその後も、2.5%に達するまで四半期ごとに引き下げられる見通し。
労働者の賃金は
痛みを伴う生活費上昇
を相殺するために急上昇している。
これはECBにとって頭痛の種で、賃金上昇が消費者物価上昇率を高止まりさせることを中銀は懸念している。
インフレ率はここ数カ月低下しているが、賃金がより大きな役割を果たすサービス部門からの圧力は依然として強い。
しかし、最近のデータは有望で、4−6月の妥結賃金の伸びは前四半期から鈍化した。
シュナーベル理事を含む一部当局者からは、7−9月に賃金の伸びが再び加速する可能性があると警告していた。
一方、今後さらに緩やかになるとの見方もあり、チーフエコノミストの
レーン理事
は、2025、26年に賃金上昇が急減速するとの見方を示した。
ECBはユーロ圏の物価上昇圧力を把握するため、企業収益と労働生産性にも注目している
6日に発表された別のデータによると、ユーロ圏の第2四半期域内総生産(GDP、改定値)は速報値の前期比0.3%増から0.2%増に下方修正された。