台湾総統選が 13日投開票が行われ、民主進歩党(民進党)の
頼清徳副総統
が当選を決め、民進党が3期連続で政権を担うことになった。
これまで中国は、米国との関係を重視する頼氏を戦争を扇動していると批判し、中国軍の侵攻を意識させる工作が繰り返し行われてきた。
頼氏の得票率は40.1%。ここ数十年で最も厳しい総裁選を制した。
最大野党の国民党から出馬した侯友宜候補は2位、初めて総統選に挑んだ台湾民衆党の柯文哲候補が最下位となった。
頼氏は台北で同日夜に行った勝利演説で、「われわれは国際社会に対し、民主主義と権威主義の間で民主主義の側に立っていくと宣言する」と述べ、観衆からは大きな熱烈な拍手が送られた。
また、米中間の緊張の元となっている
台湾海峡の平和
を維持するとも表明し、台湾はこれからも世界の民主主義国家と肩を並べて歩んでいくとの姿勢を表明した。
バイデン大統領と中国の習近平国家主席は昨年11月、米カリフォルニア州で会談した。
ウクライナへの軍事侵攻を続けるロシアへの火器弾薬類の提供を目論む中国の思惑を打ち砕くべく経済問題を全面に出して圧力を加えたことや中国の不動産不況が手に追えなくなりつつある習近平への批判が中国国内からもで始めたこともあり、習近平の独裁政治に穴が空き始めたため、これまでの強気の姿勢が薄れ米中関係の安定化の兆しが最近見えてきていた。
ただ、中台統一を最優先すべく暗躍してきた習主席は頼氏を「トラブルメーカー」「分離主義者」などと繰り返し批判してきた。また、歴史上の根拠もなく、中国は台湾を領土の一部と見なし、習氏は新年のメッセージで台湾との「祖国統一は歴史的必然」だと主張していたため、今回の頼氏勝利により、逆に中国内部から突き上げが強まることで権力闘争が激化しかねず、権力集中の過程で政敵への見せしめ的な工作が行われ、これが習近平に跳ね返る可能性もある。
そのため、このまま軍事圧力を強めていくかどうかが、あらためて試されることになりそうだ。
バイデン氏は同日、短いコメントを発表し、米国は台湾の独立を支持しないと語り、中国内部の政治闘争が拡大するような流れの遮断をしなかった。
一方、中国は早い段階での反応では当選者の名前への言及を避けていた。
台湾政策を担当する国務院台湾事務弁公室の
陳斌華報道官
は台湾総統選挙の結果について、民進党が人口2300万人の「台湾で主流の民意を代表していない」ことを示していると主張した。
もともと、共産党独裁国家の中国では民意自体がそもそもなく、党の方針に従う者以外は全て排除されており、支持率が100%かそれに近い数値しか出ないため、独裁他の選挙の支持率のまやかしとは大きく異なっているということでしかない。
中国外務省は、「台湾でどのような変化が起ころうと」台湾の独立には反対していくとの姿勢を示した。
台湾の安全保障担当者は、総統選直後に中国が台湾周辺で
大規模な軍事演習
を行うとは想定していないと説明したが、頼氏が5月に総統に就任する前に中国が別のやり方で圧力を強めてくるとみている。
退任する蔡英文総統を台北駐米経済文化代表処代表(駐米大使に相当)として支え、副総統候補として選挙戦を戦った蕭美琴氏も頼氏と共に登壇した。
世界中が今回の総統選に注目する中、頼氏のスピーチは英語で同時放送され、海外に伝えられた。
米国国務省のブリンケン長官は13日に声明を発表し、今回の選挙は
台湾の民主主義の強さ
を示すものだと称賛し、米国は「台湾海峡の平和と安定を維持し、強制や圧力とは違う平和的な解決にコミットする」姿勢を繰り返した。
また、米国は今後も頼氏および台湾の全政党のリーダーらと協力していくとした。
なお、頼氏は中国と協力する意向も示唆したが、民進党政権の過去8年にわたり中断していた中国との協議を再開できる可能性は低い。
中国共産党はこうした中台対話の前提条件として、「一つの中国」で合意することを台湾側に要求してため、民進党には受け入れられない条件を持ち出している。
台湾の有権者が対米関係重視の頼氏を支持したことは、中国と距離を置きたいという考えが、不動産価格高騰や賃金伸び悩みといった内政に対する不満の高まりを上回ったことを浮き彫りにしている。
経済問題では頼氏は、台湾積体電路製造(TSMC)を中心とする半導体業界のさらなる発展を「力強く」支援することを公約した。
最先端技術のグローバル・サプライチェーンの中での台湾の極めて重要な役割は、中国の軍事行動を抑制するための「シリコンの盾」と呼ばれており、日本にも生産工場が設置されている。
ひとこと
中国国内に進出した企業の資産が中国政府の思惑で接収され、邦人がスパイ容疑をかけられたり、中国公安部門の工作で犯罪者に仕立て上げられたり、黒社会を使った身辺への加害行為などのリスクが常にあることを日本の経営者は認識すべきだろう。
posted by まねきねこ at 03:00| 愛知 ☁|
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