英連邦王国およびイギリス連邦に最後に加盟した国で面積と人口が共にアメリカ大陸において一番小さく、ミニ国家のひとつに数えられるカリブ海に浮かぶ
セントクリストファー・ネービス
はサトウキビ産業が中心の農業国であったが独立後は観光業で経済が成り立っている。
また、カリブの他の国と同様、税優遇や欧州へのビザなし渡航が市民権取得の魅力となっており、人々は同国が発行する紺色のパスポートを購入している。
こうした市民権は10万ドル(約1460万円)程度から外国人に付与する国があり、セントクリストファー・ネービスでもパスポート1枚あたりのコストは、25万ドルと最も高い部類となっている、
この「黄金パスポート」プログラムが昨年、全体の51%に当たる約1億9200万ドルの収入をもたらすと見込まれている。
セントクリストファー・ネービスに加え、ドミニカ、セントルシア、グレナダ、アンティグア・バーブーダの含むカリブ海5カ国は、投資を通じた
市民権取得(CBI)プログラム
で年間5億7900万ドル余りの収入を得ている。
欧州連合(EU)が昨年10月に発表した報告書によると、これらの国は合計で少なくとも8万8000人に市民権を与えた。
その多くは中国やロシア、ナイジェリアなど、通常であればEUへの渡航許可を申請しなければならない国の出身者が占めており、犯罪組織に係る者や情報機関に雇われた者などが含まれている。
そうした背景からEUでは、CBIプログラムを導入している国からの渡航を取り締まりしやすくするよう、変更を検討する必要に迫られている。
経済協力開発機構(OECD)は最近の報告書で、CBIプログラムは犯罪者にとって「巨額の詐欺を行い、数十億ドルに上る不正収益や汚職資金を洗浄する」手段になり得ると指摘している。
ドミニカではCBIが政府歳入の55%を占めるうえ、国際空港の建設や河川の浚渫工事に充てられている。
また、グレナダでは刑務所の建設に使われ、福祉プログラムを支えている。
天然資源に乏しく、観光業に依存するこれら小国にとって、CBIは経済の金のなる木であり生命線だ。
カリブ海の同5カ国は欧米当局者と会談し、安全保障上の懸念払しょくに努めている姿勢を示し「徹底した手続きを踏んでいる」と強調してみせるが、袖の下が物を言うため抜け道は多い。
3月にはウクライナ侵攻を理由に、ロシア人とベラルーシ人をプログラムから排除するなど強力的な対応が行われて入る。
英国では7月、「安保上の懸念」を理由に、ドミニカと他の数カ国からのビザなし渡航を取り消した。
posted by まねきねこ at 07:31| 愛知 ☁|
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