国際原子力機関(IAEA)やウクライナ当局はロシアが軍事占領するウクライナのザポリージャ原発について、部分的に稼働している最後の原子炉を攻撃による被害拡大を防ぐため、完全な停止状態とするよう要請しているもののロシア軍は戦果を得るため戦略として無視し続けているようだ。
ウクライナの原子力安全当局では、ザポリージャ原発で冷温停止状態に入っていない唯一の原子炉である5号機での熱および蒸気の生産を停止するよう繰り返しロシア軍側に求めている。
6月には近隣のダムがロシア軍側の仕掛け爆弾などで破壊され、原発冷却水の供給はますます逼迫するようになった。
IAEAでも5号機の完全な停止を呼び掛けている。
IAEAグロッシ事務局長は7日、この陽性に対してロシアの国営原子力企業ロスアトムが拒否していることを明らかにした。
ただ、IAEAは完全な停止を支持しているものの、「生死に関わる問題」ではないと続けた。
東京都内での発言で、グロッシ氏は、「IAEAは冷温停止状態にすべきだとの見解を表明した」が、「原発管理者の見解は違うようだ」と明らかにした。
ロスアトム監査役会会長でロシア大統領府第1副長官も務めるプーチン派の支持者でもある
セルゲイ・キリエンコ氏
は7日にザポリージャ原発を訪れたうえ、同所は引き続き安全だとの声明を発表した。
6基の原子炉を備えるザポリージャ原発は欧州最大の規模を誇り、ウクライナの総発電量の2割を賄うよう設計されていた。
そのため、ロシア軍は戦略的意味が強いこともあり、ウクライナ侵攻の初期から同所の占領を続けている。
IAEAでは昨年9月から専門家を常駐させ、現在は4人が駐在しているが、敷地内のアクセスや原発運営の決定への参画はロシア軍に制限されている。
なお、グロッシ氏は、広大なザポリージャ原発でIAEAのチームは「極めて厳格な」視察を毎日行っていると説明した。
敷地内の活動調査をさらに強化するため、監視装置を数台追加したい考えも示した。
今週には地雷が仕掛けられたとのウクライナ側の主張を受け、IAEAは原子炉建屋の屋根へのアクセスを要求した。
ザポリージャ原発は1年余り前からたびたび砲撃やドローン、ミサイルの攻撃を受け、ウクライナとロシアはいずれも相手側が攻撃したと非難している。
グロッシ氏は「IAEAはこれを極めて深刻に受け止めている」と述べた。
また、ロシア軍が「だが、パニックを引き起こそうと公共の空間が利用されていることも目にしている」と明らかにした。
posted by まねきねこ at 05:00| 愛知 ☁|
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