中国の習近平国家主席は最高権力者として11年目に入ろうとしている。
権力欲にとりつかれ反対する政敵を粛清してきた習近平に対し、新型コロナ対応や経済対策などで失速しつつある状況に対し対応できていないことから強権を与えることについて、懐疑的になった大衆が多くなっている。
習氏と中国共産党に対する中国では公安部門1億人以上を動員して徹底的に押さえつけ一般の市民の目に晒すことすらできないよう自由主義を希求する反共産党の中国国民は徹底的な弾圧を受け続けてきた。
新型コロナ感染の拡大を情報統制で事実とは異なる夢物語を見せ続けてきた。
中国では都市封鎖などに対する
抗議デモ
が昨年11月後半に続いた後、当局は新型コロナウイルスの感染を徹底的に抑え込む「ゼロコロナ」政策の一部を突如として解除し、全土で感染者と死者の急増を招いた。
当局者は今年2月、コロナに対する2度目の「決定的勝利」を宣言した。
しかし、習氏の政治生命に及ぶ長期的な影響は依然不透明なままで政敵の排除に伴う反撃を受ける可能性はより強まっている。
習氏に対する信頼の失墜は、金融と貿易の中心地で世界に開かれた中国の窓口であり続けている上海でとりわけ顕著なのは、江沢民派への圧迫の反応としては当然の動きでもある。
欧米メディアのインタビューに応じた上海市民からは、習氏と同氏の新たな右腕である李強氏の路線に深い不信を示したという。
李氏は昨年、上海市トップとして市民を実質的に自宅に閉じ込める厳格なロックダウン(都市封鎖)を強行し、その功績もあって首相への昇進を確実にしたことから逆に反発はより強いのも自然な流れだ。
習氏は3月5日に開幕する全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、信頼回復に乗り出す機会を得るが、全人代においては数十年ぶりの低成長近辺に落ち込んだ経済の回復策のほか、ロシアや台湾、先端技術の輸出規制を巡り米中関係が緊張する中での外交政策の方向性について、李氏ら当局トップが公に発言するものの、親習近平派で固まった状況ではシャンシャン大会になるためガス抜きとはならず強い反動が起きかねない。
中国では市民の不満がどの程度かを数値化することは数値自体の信頼性も低いため常に難しい。
政府への抗議を示す市民の行動はここ数カ月にいっそう大胆になってきた。
新正月などにおける爆竹・花火の禁止や停滞した不動産プロジェクト、年金生活者への医療給付削減などに対して注目を集めるようなデモが発生し、政府は政策変更に追い込まれている。
米国の人権監視団体
フリーダムハウス
は、昨年10−12月に中国のほぼ全ての地域で抗議デモがあったと報告した。
集団デモは四川省や広東省、北京に近い東海岸の山東省などで特に頻発している。
欧米との関係の強い地域を忠臣に広範な地域に不満が広がっている様子が示された。
不穏な状況は、中国共産党の正当性を支える社会契約を習氏が果たす能力への疑問を強めることになる。
この社会契約とは、一党独裁を強いる代わり、市民の安全を守り経済的な繁栄を実現する有能な統治を約束するというものだが不履行となってきており、不自由な矯正を強いる共産主義の本質に対して拒否反応が強く出て内乱になりかねない見方もある。
上海を拠点とする名門の経営大学院、中欧国際工商学院(CEIBS)の丁遠副院長は中国の社会契約について、「因果性が確立されている以上は、実現し続けざるを得ない」とし、「その意味で、そこからは逃げられない」とメディアの取材で指摘した。
さらに、人口の高齢化や社会保障制度強化の必要性、地方政府の財源で土地売却への過度の依存など、構造的な経済問題に容易な解決策は政府にないと説明した。
「これらの問題が経済を損ない、最終的に人々の満足度は低下する」と論じた。
posted by まねきねこ at 08:00| 愛知 ☀|
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