ノルウェーの警察当局が25日、ノルウェーで亡命を申請したもののノルウェー入国後の規制に従わなかったとして拘束されていたロシア民間軍事会社「ワグネル」の元指揮官
アンドレイ・メドベージェフ氏(26)
を22日に釈放したと弁護士が明らかにした。
ノルウェー警察の移民担当官はAFP通信に、メドベージェフ氏が「指定された場所にとどまること」を条件に、収容施設から釈放されたと説明した。
ロシアの民間軍事会社ワグネルの元指揮官で、同国が侵攻したウクライナでの戦闘に従事してたアンドレイ・メドベージェフ氏が、ノルウェーへ脱出し亡命を求めていることをロシアの人権団体「グラグ・ネット」が明らかにした。
メドベージェフ氏は元ロシア軍兵士で、刑務所で服役後の2022年7月、4カ月の契約でワグネルに参加している。
ワグネルを脱走したものの捕らえられた他の戦闘員がワグネルにより「なぶり殺し」で処刑されるのを目撃し、組織から抜けたという。
メドベージェフ氏は、ロシア出国を手助けした「グラグ・ネット」の動画を通じ、越境後にノルウェー警察に拘束されたと説明した。
同団体代表に「苦痛の中で死ぬのは怖い」と話した。
これまでも、ロシアのプーチン大統領に近い民間軍事会社「ワグネル」が、ウクライナで捕虜になった後にロシアに帰還した戦闘員を処刑した疑いが浮上していた。
この戦闘員は捕虜として拘束された際、ウクライナ人記者に「(ロシアと)戦うため投降した」と話したといい、ワグネルから「裏切り者」と見なされた可能性がある。
この戦闘員は50代の元受刑者で「処刑」に関する動画がワグネル系の通信アプリに昨年11月12日に掲載されている。
戦闘地域における戦闘員の投降を防ぐ「見せしめ」効果をワグネルが狙ったもようだ。
ウクライナ人記者によるインタビューが公開されたのは9月4日で今月11日に捕虜交換が行われ、ワグネル戦闘員が帰還したと指摘されている。
なお、ゼレンスキー政権は、ロシア兵に投降を呼び掛ける際、身の安全は保証し、意に反してロシアに戻すことはないと約束している。
なお、ワグネル創設者で「プーチンのシェフ」の異名を取る実業家エブゲニー・プリゴジン氏はかねて脱走時の射殺を警告している。